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はあちゅうに溺れる

はあちゅう著「仮想人生」読みました!【感想】

※記事中の””の範囲内の文章はすべて「仮想人生」からの引用です

「仮想人生」私の総評

繊細で画が目に浮かぶ描写

まず、一気読みして思ったこと。

はあちゅうさんは以前「描写力がない」とご自身でおっしゃっていたんですよね。

私は彼女の執筆を数多く読んでそう感じた事はないのですが、

「仮想人生」の描写は本当に凄い!!はあちゅうさんは苦手としてた描写力をかなりレベルアップされたのではないでしょうか。

登場人物それぞれの背景や今いる位置、雰囲気、もう映像として読み手の脳裏に浮かんでいるかのような細かくて繊細な描写。引き込まれました。特にコーヒーの香りとか女性ぽい香りとか。

私は地方在住で東京に住んだことは無いのですが、行ったことがある渋谷の一瞬の記憶を裏切らない、良い意味での都会の湿ったバックグラウンドをすこーし挟んでくる感じが良いです。

食べ物に関しては、はあちゅうさんは食べるのが好きな方なので得意分野だと思うんですけど読んでてお腹がすいてくる(笑)

これは「婚活っていうこの無理ゲーよ!」でも感じた事です(^^)

昨年「ナンパ師」の話を書いているとおっしゃってた時には、こんなストーリーとは想像つかず。

もっと軽い要素が多いのかな、と。

しかし「闇」というより「深さ」を感じましたね~。

誰だってSNSで本名や顔をさらさず、時にはプロフィールをちょっと盛ったりして楽しむ。

それは、人間の裏とか「闇」ではなく、当たり前にある表の部分で「深さ」ではないかなと思います。表の部分で見えない「深い」ところ。

そういえば(記憶が確かではないですが)以前に、はあちゅうさんはツイッターを地上と地下の世界と言う風に例えていたような…。

そこに本音が現れたら、現実の表の浅いほうが「嘘」で深い深いところが「本来の姿」かもしれないですよね。

建前と本音です。

この、深いところと浅いところ、表と裏がまさに交差していくSNSを使った舞台は本当にはあちゅうさんにしか書けないのかも。

ツイッターの世界にアカウントを持っている人は全員読んでほしいです。

そして、アカウントを持ってる誰もが少なからず共感できると思います。

 

「仮想人生」それぞれの登場人物の起承転結+裏の顔

この小説は「仮想人生」としての1つのストーリーですが、登場人物それぞれにストーリーがあって

まるで5人5様、5つの小説を読んでいるのと同じ印象を持ちます。

そしてそれが「裏アカウント」という別の顔のストーリーもあって、それこそ2倍の10人?の人生があるわけですよ。

現実の人生と仮想の人生、それぞれにまた起承転結があってそれが繋がっていくのがお見事でした!

はあちゅうの作品として成熟感を感じました。今までの良い要素を入れつつ、こんなにカッコいいテンポのストーリーをはあちゅうの著書で読めるなんて(;_;)

クールなんです、クール!

小説は生み(産み)の苦しさがある、とイベントで言われてましたが、これだけの登場人物の表と裏の部分を考えてたら、少し執筆から離れたときに戻ってくるのは大変な作業だったろうなぁなんて

はあちゅうさんのお話を思い出しながら読んだりしました(^^)

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「仮想人生」印象深いシーンがたくさん

圭太(鉄平)と美香(ユカ)

それに、俺は初めて、自分の体が道具として使われている感覚になった。 P177

この文章の前後、なんというか、やったー!という小さなガッツポーズがこころの中でおこりましたよ。

何でかなぁ、、、ナンパが嫌いなのかな?私。このP177のシーンが本当に薄っぺらい男子に仕返しをしたような感覚に。

これを「俺」に思わせる「ユカ」。ようやった。うん。

圭太は何も悪くないんだけど、なぜかそう思ってしまいました(^^;)

彼と。。。。したおかげで、。。。。は何も変えてくれないことが分かった。好きじゃない人と。。。。したところで、好きにはならないし、たかが。。。。で気持ちが落ち着くことは無い。   p245 ※。。。。はあえて伏せてます

そしてその答えとしてのユカの気持ち。爽快です。

別に圭太に何の恨みもないんだけど、本当にスーッとする感じがして(^^;)

イニシアチブをユカが持ってるところが本当に気持ちいいのです。

上の空で。。。。してみたいですよね~エヘヘ(´▽`*)

ユカと恭平

ストーリーが大きく動く展開で、みんな思いませんでした?

え?ユカってそんなに恭平が好きだったの?

そして、ユカ本人だって作中で実感してますよね恭平の存在の大きさをひしひしと。

これは作家の策にまんまとハマってしまったと私は思っています。

わざわざ寂しさを紛らわすために「人妻の美香」としてアカウントを作ったユカ。

最初は、あらぬ方向へ行きそうですよね。

だけど、ユカ本人と読者を一緒にグーッと気づかせています。

恭平のことが好きだと。

別にユカは恭平が嫌でアカウントを作ったわけじゃないのに。

そんなに恭平が好きだったの?と持ってかれてます。

一体感がある!

だからみんな、引き込まれてしまうと思うのです。

ねねと「出稼ぎ野郎」引っ越し屋の八代君

ねねには闇がある、と私は思います。

でも八代君。

私はこの2人の展開が一番想定外でした。でもよい結果だったと思います。

40代で突っ張って突っ張って、本当に頑張って生きてる女が素直になる瞬間って本当に可愛い。

ねねもまた、ねねのストーリーの主人公ですね。

私の好きな細かいポイントをひとつだけ

数えきれないくらいありますが、ひとつだけ!

美香は手元のアイスレモンティーを自分のほうに引き寄せて、ちゅっと一口すすった。p241

何でもないシーンですよね。

でも「手元のアイスティーを飲んだ」でも情景は分かります。

「自分のほうに引き寄せて」

「ちゅっと」

「一口」

「すすった」

これ、次のセリフを言うための、美香の決意みたいなものを感じます。ちゅっとすするんですよ?!すする?ストローでしょう~~~。見えますよね(笑)

も~~~~~てなりませんか?(笑)にくいよはあちゅう!

伝わるんですよね~。本当に映像化してほしい。

はあちゅうさんの得意な部分がたっくさんちりばめられていると思います(^^)

「仮想人生」の主人公は誰か

「仮想人生」を読んだ方は、登場人物誰にでも仮想人生は存在するし、実際の私たちにも存在すると思ってしまうんじゃないかなあと思います。

でもこの「仮想人生」の主人公は恭平だと私は思います。

彼が一番「仮想人生」を生きていると思いませんか?

彼だけが、自分の言葉を語っていない。

誰かのフィルターを通してしか、恭平の事は分かりません。

この作品、続編もにおわすというか、いい終り方ですね。

続編があってもいいし、無くてもいい。

小説として素晴らしい余韻を味合わせてくれて

感謝です!

読んでくださった方へお礼の気持ち

ここまでお読みくださってありがとうございました。

はあちゅうさんが大好きなので本当にはあちゅうさんの著書のレビューは緊張します。

まだ好きな本で書いてないレビューはたくさんあります。

良かったらまた更新した際に読みに来てください。

貴重なお時間ありがとうございました!

PS.福岡天狼院で昨年あったイベントではあちゅうさんがナンパ用語を教えてくれたのですが今作では「地蔵」は出てきませんでした(^^)

つづく

自分のための覚書

この本を知ったきっかけ もちろんはあちゅうさんの書き下ろし新刊!
読んだ時期 2019年1月
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